インターネットを快適に使うには一体回線速度はどれくらいあればいいか?
この問題はネット上でも多くのサイトがそれぞれの根拠から様々なことを言っています。
概ね30Mbpsあればいいというものが大勢を占めているようですが、本日はそれを検証します。
必要な回線速度はWebサイトのデータサイズで違ってくる!
ご存知のとおり我々が見ているYahooのやAmazonのサイトなどのWebデータは全部IPパケットという小包で小分けになって回線を通ってやってきます。
このパケットがなかなか届かなかったり、すべてが揃うのに時間がかかっているときはディスプレーにクルクルと回るサークルが出て来て“読み込み中”の状態になります。
「快適」は人によって感じ方が様々ですが、昔のようにパソコンがメインだった時代と違い反応の速いスマホやタブレットに慣れて来た今では2〜3秒表示にかかっただけでもイラっと感じる人は多いと思います。
筆者も今は1秒以内に表示されないと不快に思うようになってしまいました。 なので、この投稿ではかなり独断的ですが1秒以内を快適かどうかの基準にしたいと思います。
快適にインターネットを利用できるには、目的のWebページの全てのパケットが早く完全に届く必要があります。
つまり、早く表示されるためのポイントは以下の2点。
①Webページのデータサイズが軽くてパケットの数が少ないこと。
②回線の帯域が十分ありスイスイとパケットを流せること(つまり回線速度が十分ということ)。
つまり、必要な回線速度は?というテーマはWebページのサイズ(重さ)と密接な関係があるテーマです。
最近のWeb ページのデータサイズがどれくらいあるのかによって、必要な回線速度が決まってくるわけです。
総じていえば、インターネットの黎明期にくらべて最近のWebページのデータサイズは超ヘビー級といってもいいでしょう。
因みにgoogleは1.6MB(メガバイト)程度が良いと言っています。
データサイズと回線速度の関係
1.6MB(メガバイト)というのは結構軽いサイトにはいります。平均サイズは2.6MBくらいだといわれています。
平均的なWebページで話を進めましょう。
2.6MBのサイトというのはIPパケットの数でいえば1818個です。一般的な日本の光回線では1つのパケットのサイズが最大で1500B(バイト)とされるので2.6MB÷1500Bで1818個となるわけです。
M(メガ)はざっくりいうと百万倍ということ(正確には1024×1024で104.8万倍)。なので2.6MBは2726298Bになります。
回線速度はB(バイト)という単位ではありません。b(ビット)という単位を使って表します。
bps(ビーピーエス)が回線速度をあらわす単位ですが、意味は1秒間に何ビット流せる早さか?ということ。
B(バイト)とb(ビット)の関係は?というと1B=8bという関係です。
そうすると平均的な2.6MBのサイトをイライラすることなく見るためには回線速度は22Mbpsあれば十分といえます。 22Mbpsあれば平均的なWebページは0.95秒であなたのモデムまでやってきます。
快適さを感じるのは人にもよりますが、1秒以内に来れば快適だといっていんじゃないでしょうか?
計算式は、2.6MB=2726298B=21810380bなので 21810380÷22×1024×1024で0.95秒
そうすると100Mbpsはもちろんの事、1Gbpsなんて全く必要のない帯域(速度)だといえます。 100Mbpsだの1Gbpsというのは、回線を提供する側の販売アピールポイントなのでしょうが、利用する側にとっては全く無用の話です。 惑わされないようにしましょう。
ちなみに、イライラするほど表示が遅いときはどうなっているのか?というと1Mbpsも出ていない時です。速度計測すると○○Kbpsなんて寒い結果が出ます。
これは回線の輻輳(ふくそう)といって通信経路のある部分でパンク状態に混雑をしているときです。
具体的に言えば、回線がプロバイダに抜けてい行く接点ポイントで大渋滞状態にある場合です。
丁度、お盆や年末年始の帰省ラッシュの時に普段は時速100キロで飛ばせる高速道路が料金所の混雑で手前から止まってしまって動かない状態になっているのに似ています。
実際のWebページのデータサイズは?
平均で2.6MBだとしてもWebサイトにもいろいろあります。 1.6MBくらいが推奨だとエラそうな事をいっているgoogleのトップ画面は計測すると1.29MBでした。 エラそうな事言ってもいい軽いページでした。
しかも普通Webサイトのデーターは毎回すべてをダウンロードしているわけではありません。
われわれが使っているブラウザソフトにはキャッシュ機能があります。ページを再読み込みしたときには、前回ダウンロードしたデーターのいくらかがキャッシュとして保存されています。
キャッシュを削除して、つまりすべてのデータを一から全部ダウンロードするようにして計測した1.29MBでしたが、何回か閉じて再読み込みをさせてみると同じトップ画面の表示に0.215MBしかデータをダウンロードしていないことがわかりました。
1.04MBものデータがPCに保存されていてそれを再利用しているわけです。
そうなれば必要な回線速度ももっと低くて済みます。2Mbpsくらいしかなくても0.86秒でやってきます(もちろん使っているPCの動作もサクサク動いてのはなし)。
よく見るあのページはどうか?
Yahooのトップ画面
- 最初の読み込み時=3.64MB
- 再読み込み時=1.94MB (1.7MBのキャッシュを利用)
Amazonの商品ページ
- 最初の読み込み時=5.79MB
- 再読み込み時=4.29MB (1.5MBのキャッシュを利用)
一般的にAmazonや楽天市場などのECサイトは画像が沢山使われているのでデータサイズも大きくなります。中に8MBを超えるものもたくさんあります。
Amazonのこのページなら1秒以内にダウンロードするには50Mbpsの回線速度が必要です。(0.93秒) 8MBを超えるヘビー級ページなら70Mbps(0.91秒)の回線速度が必要になります。
いずれにしてもWebページの閲覧に関して言えば30Mbps~50Mbpsもあれば十分なわけであります。
もしあなたのネット環境でネットが重いと感じたときに、速度を計測してこれくらい出ていれば原因は回線速度ではないということです。
これに達していない時は通信速度が足りていないわけですが、その原因が①プロバイダと回線の接点での輻輳なのか、②回線そのものの遅延なのか、③宅内のあなたの通信機器の動作が遅いのか、④あなたの部屋の電波環境が悪くwifi区間で大きく速度低下しているのか、などを切り分けていく必要があります。
切り分けを間違うと無用な労力と費用をつかってしまい結果に結びつかないので注意必要ですね。
Youtubeなど動画視聴に必要な回線速度は?
動画はWebコンテンツの中でも飛びぬけてサイズの大きなデータです。
動画視聴中に何度も止まりクルクルとサークルが回る”読み込み中”状態になる場合は通信速度が足りていないわけです。
ただ、動画配信サービスはストリーミング再生といってコンテンツの全てのデータをダウンロードしていまわないと再生ができないのではなく、ダウンロードしながら再生をしています。
先行して読み込んでいるデータ(バッファといいます)が再生に追いつかなくなるとクルクルと読み込み中になってしまうのです。
ですので必要なのは早い回線速度というよりは、ある程度の回線速度でも良いからそれが持続・継続することの方が重要なのです。
ある程度とはどれくらいを言うのか? ですがこれについてはgoogleが明らかにしています。
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