楽天ひかりが1年無料というとんでもないキャンペーンを打ってから光回線を「楽天ひかり」に変更している人が増えています。
筆者の周りでもいました。
ところが、変更前に比べてメチャメチャ遅くなって使い物にならん!と怒っています。
今日はその対処法についての記事です。
楽天ひかりが遅い原因を大きく切り分けする必要がある
楽天ひかりが遅い場合にまず「遅い」原因をおおざっぱにでも切り分けする必要があります。
でないと全く見当違いな対処法をとることになって時間と労力(さらに時にはお金まで)の無駄遣いに終わってしまいます。
24時間365日ずっと遅いわけではない!という場合。
まず「楽天ひかり遅い問題」が常に起こっているか?それてもある特定の時間帯や曜日になると遅くなるような傾向があるか?
これは非常に重要な切り分けです。
ここで24時間365日というのは少し大袈裟ですが、例えば深夜2:00頃から5:00頃までや平日の昼間といった時間帯も含めて遅いのか?という意味です。
このような時間帯は回線を通る通信は比較的少なくて回線の混雑状況にはないことが多い時間帯です。
このよう時間帯も含め回線が遅い場合は、むしろ回線異常(故障)の可能性が出てきます。
これについては後で触れます。
問題はそうでない場合。
平日は夕方くらいから深夜25:00くらいまでや、土日なんかは午前中から一日遅い!という場合です。そのほかの時間帯などではウソのようにスイスイ、サクサク行く!
このように遅いのが一定の傾向をもって繰り返され日常化している場合は、通信の混雑による影響を受けている場合ということになります。詳しくインターネット回線の速度遅延に書いています。
速度計測サイトなどで測ると1Mbpsを下回るような酷いことになっている場合も多い。
このような場合は楽天ひかりの基本提供サービスであるIPv6インターネットサービスが正しく使われていないことが原因です。
もっと具体的にいうと、ルーター選びとその設定に間違いがあります。
いまあなたのルーターはIPv4インターネット用の設定になっている
回線の混雑によるモロの影響を受けるのは、回線とプロバイダがIPv4をPPPoE方式で接続している場合です。
ルーターにインターネット接続設定として楽天ブロードバンド(プロバイダ)発行のインターネット接続用のIDとパスワードを入力し設定すればIPv4+PPPoE接続になります。
これはインターネットが普及し始めてから今日までずっと使われているやり方です。
しかしIPv4をPPPoE方式では回線側とプロバイダ側の接点ポイントでパケットが大渋滞を起こしそこを通過するのに非常に時間がかかってしまい回線速度が極端に遅くなってしまうことが知られています。
このような大渋滞ポイントを通過させずに回線とプロバイダを繋げるのがIPoE方式というやり方でIPv6にすればこれが使えます。
IPv6+IPoEによる場合、IPv4+PPPoEとくらべ混雑による影響をかなり受けにくくなります。
もちろんIPv6+IPoEでも利用者が増えれば通過する通信が増えるのは当然なのでこれを放置すればIPv4+PPPoEが辿ってきたのと同じ道を歩むことになりそうですが、IPv6+IPoEの場合はそれに備えた対策が既にとられています(①接続ポイントの帯域が10Gbps~100Gbpsとかなり広い上に ②接続ポイントの増設をプロバイダが自由にできる。)
楽天ひかりはIPv6 +IPoEを基本サービスとして提供している回線&プロバイダ一体型のサービスです。
楽天ひかりが一定の時間帯になるとネットが遅くなる傾向が強いという場合は、折角の基本サービスであるIPv6+IPoEを使用するための設定が正しくルーターにされておらず、旧来からのIPv4+PPPoEになってしまっているわけです。
ルーターは何でもいいわけではない。楽天ひかりは対応ルーターを指定している。
折角の基本サービスであるIPv6+IPoE方式をIPv6対応サイトだけでなくIPv4サイトでも使えるようにするには前項でも説明したとおり正しくルーターの設定をしなければなりませんが、その前にルーターが楽天ひかりのIPv6インターネットサービスに対応しているものでなければなりません。
楽天ひかりでは対応のルーターとしてルーターを指定していますが、楽天ひかりが指定しているルーター以外でも”transix対応”とか”DS-lite対応”となっているものであれば使えます。
楽天ひかりの指定しているルーターはこちらですが、自分の持っているルータが使えるかについては”DS-Lite IPv4接続オプション接続確認機種情報”で確認できます。
まずはIPv4+PPPoEの設定をクリアにする
これまでインターネットの接続設定といえば、プロバイダ発行のインターネット接続用のIDとパスワードを接続先設定の欄に入力していました。
今。楽天ブロードバンドのIDとパスワードが設定してあるならそれをクリアにします。
次にそのルーターがIPv6対応ルーターであれば設定項目は以下の通りとなります。
①IPv6をIPoEで使う
②IPv4 over IPv6のタイプは”DS-lite”もしくは”transix”
この2項目だけです。
ルーターのメーカーや機種によっては自動設定が走り設定不要なものもありますし、また上記設定項目の表記も製品によってはまちまちです。
詳細は各ルーターの設定説明を調べて下さい。ググれば大抵出てきます。
NTTのHGWは非対応なので注意が必要
楽天ひかりには光電話やテレビオプションなどが提供されていないので通常はNTTのHGW(ホームゲートウエイ)はありません。
しかしNTT東西と直接フレッツ光電話やフレッツテレビなどを契約して楽天ひかりで使うことは出来るのでそのような場合は楽天ひかりユーザー宅にもPRシリーズやRTシリーズのHGWがやってきます。
IPv6インターネットサービスの中にはNTTのHGWだけでIPv4 over IPv6が利用できるサービスも多いのですが、残念ながら楽天ひかりだけはHGWでIPv4 over IPv6を使えるようにはなっていません(2021/2月現在)
ですので、HGWがあってもやはり上記対応のルーターを別途準備する必要があります。
その場合対応ルーターはHGWの後ろにLANケーブル接続して使うことになります。
詳しくは楽天ひかりのIPv6を使うときの注意!で説明していますのでそちらも一読下さい。
常時遅い場合はむしろ故障を疑う
以前はスイスイイケていたのにある時から急にネットが重たくなって、時間帯を問わず非常に遅い状態が続いている。
このような場合は回線故障を疑います。
NTT収容局からユーザーの自宅までのどこかで光ファイバーの不具合から光信号の乱れが発生し遅延に繋がっている可能性があるからです。
切り分け方としてはNTTの速度測定サイトでIPv6の網内速度(下記の図の赤枠内)を見てみます。常時30Mbpsを下回っているようならNTTによる点検を依頼する必要があります。
このような場合は楽天ひかりのカスタマセンタに申告しNTTによる訪問点検の依頼をかけてもらいます。NTT収容局からユーザー宅のONUまではコラボ事業者の責任区間であるため故障原因がユーザーによるものでない限りは無償修理です。
ユーザーによる故障とは例えば光コンセントを誤って壊してしまったとか、宅内の光ケーブルを家具等の下敷きにしてしまったとか、足を引っかけてしまったとか。。です。
それ以外は無償です。
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