Youtubeしか見れない、googleの検索結果が開かない時の対処法

googleの検索窓に調べたい事柄のキーワードを入れて検索すると、たくさんのサイトがずらーっと出てきます。

タイトルと短い説明分をさっと眺め、”このサイト見てみよう!”とクリックするが、表示されずに

”このページは表示できません”だとか”インターネットに接続されていません”だとか言われちゃう。

冗談じゃない。

インターネットに接続されていなけりゃ、googleの検索結果だって出てくるわけね~じゃん!

っていうか、Youtubeなんかもちゃんと見れるし!

でも、よく調べてみるとやっぱ他の沢山のサイトもほとんど繋がらない。

一体何が起こっているのか?

この記事ではこのような事態が起こる原因と、その時に対処方法について説明します。

契約先プロバイダと利用ルーターが解決のカギになります。

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何が起こっているか?  IPv6サイトしか見れなくなっている!

ネット回線がIPv6対応サイトにしか繋がらなくなってしまっている状態です。

つまりIPv4サイトが見れない。

光回線は多くがIPv6に対応となったのに、多くのWebページやサイトは2025年現在でも未だに多くがIPv4のみ対応となったままです。

 

IPv6に対応しているサイトといえば、

Youtube

GoogleのTOP画面から検索結果ページまで

Netflix

Facebook

Wikipedia

などです。

それら以外のページが開かない状態となります。

yahooもAmazonもIPv6未対応なので見れません。

これが今あなたのネット環境で起こっている事柄です。

冒頭の例でいえば、Googleの検索結果の表示ページ自体はIPv6 対応ページなので検索結果がズラーと並んでいるのが表示されますが、“このページを見てみよう!”と思ってクリックしたページがIPv4のページだったので”このページは表示できません”とか”インターネットに接続されていません”という結果になったのです。

 

何故IPv6対応のサイトしか繋がらなくなったのか?

IPv4 over IPv6が機能しなくなっているのが原因

IPv4サイトを見るためにはIPv4パケットが通れる通信経路がなければいけません。

今ほとんどのプロバイダが提供しているのがIPv6規格のインターネット接続サービスです。

なのでユーザーとプロバイダはIPv6で繋がっていることになりますが、実はこの環境のままでは

IPv4通信はできません。

IPv6とIPv4には互換性がないからです。

しかし、先ほども書いたように世の中のWebサイトはまだ多くのサイトがIPv4のままです。

多くの回線がIPv6という規格で通信するのにそのままでは通れないIPv4のサイトがほとんどなのです。

そこでプロバイダ各社はIPv6専用レーンしかない回線にIPv4のパケットを通す工夫をして、IPv4サイトもIPv6サイトも見れるようにしてインターネット接続サービスを提供しているわけです。

このような工夫はIPv4 over IPv6と呼ばれている技術です。

ほとんどのプロバイダはIPv6規格の通信を提供しつつ、かつこのIPv4 over IPv6を使うことで

混雑による遅延を避けながら(IPv6の特徴)、すべてのサイト(IPv6サイトもIPv4サイトも)が見れるようにしているわけです。

このIPv4 over IPv6の仕組みが機能しなくなっているのが今回の問題の原因です。

 

 

IPv4 over IPv6はプロバイダとユーザーのルーターが協働して実現している

 

光回線の問題ではないことに注意

プロバイダとユーザーのルーターの協働作業なので物理的な回線(光アクセスライン)の問題ではありません。

回線の問題ならそもそもIPv6のサイトも見れません。

IPv6のサイトはちゃんと見れている以上回線に何ら問題はありません。

問合せ先の回線提供事業者ではなくインターネットサービスプロバイダ(ISP)の方です。

NTTは回線提供事業者であってISPではないので原因はわかっても解決することは不可能です。

パソコンやスマホの問題でもない

同じ理由でパソコンやタブレット・スマホといったデバイスの問題でもありません。

さらにさらに同じ理由でWI-FIの問題でもありません。

 

Youtubeしか見れなくなった時の対処方法

ほとんどがユーザのルーター原因

IPv4 over IPv6はプロバイダとユーザーのルーターが協働して実現しているといいましたが、このような事態に陥る場合の原因のほとんどはユーザーのルーター側にあります。

プロバイダ側の問題というのは極めてまれです。

そのような場合はプロバイダ第1級の通信障害となりHP等でアナウンスがあるはずです。

またその場合ならユーザー側は何もできません。プロバイダ側の障害が復旧するのを待つだけです。

ユーザーのルーター側の問題の場合(ほとんどの場合)対処法は優先されるべき順から

  1. ルーターの電源OFF/ONによる再起動もしくは初期化して再起動
  2. ルーターの設定の確認
  3. IPv4のPPPoE接続の利用

 

1.利用ルーターのリブートと初期化を実施する

大抵はルーターのスタックによるエラーがほとんどなので、まずはルーターの電源OFF/ON(コンセントから抜くが望ましい)を実施する。

筆者の環境ではよくこれが起こり、ルーターの電源OFF/ONで直っています。

単なる電源OFF/ONで回復が見られない場合は、初期化を実施する。

初期化の手順については各ルーターメーカーのマニュアルで確認する必要があります。

 

2.利用ルーターの設定を確認

利用ルーターがIPv4 over IPv6を利用できるように設定されていない場合がある

IPv4 over IPv6には使用している技術によっていくつか違う種類があります。

ルータにはユーザーが利用するプロバイダが採用しているIPv4 over IPv6の方式に応じた設定がされていないといけないところ、なぜか設定が変わってしまっている(実はよくあること)場合があります。

その場合利用プロバイダが提供しているIPv4 over IPv6の方式に沿った設定に直す(戻す)必要があります。

 

プロバイダによるIPv4 over IPv6の方式の違い

  1. MAP-E方式
  2. DS-Lite方式
  3. IPIP方式

多くのプロバイダが採用するMAP-E方式

1は「v6プラス」という名前のIPv6インターネットサービスが採用する方式で多くのプロバイダで採用されています。

日本インターネットエクスチェンジ(JPIX)が本家本元ですが、他のプロバイダでもこれ(v6プラス)を自社のサービスとして提供しているところが多いです(もちろんJPIXとの提携)。

代表的なところでは「GMOとくとくBB」「@ニフティー」「so-net」などなど、まだまだあります。

また、OCNでもv6アルファというIPv6インターネットサービスが「OCNバーチャルコネクト」という名前のIPv4 over IPv6を採用していますが技術的にはMAP-Eです。

NTTぷららv6エキスプレスドコモNETOCNバーチャルコネクトを採用しています。

Biglobe「v6オプション」という名前でIPv6インターネットサービスを提供していますが、採用しているIPv4 over IPv6はやはりMAP-Eです(v6オプションライトはIPv4 over IPv6が付いていないプラン)。

MAP-E方式のIPv4 over IPv6を採用しているIPv6インターネットサービスを利用している場合、ルーターの設定もMAP-Eを利用に設定しないといけません。

画像は筆者宅のルーターの設定画面です。筆者はNTTぷららのv6エキスプレスを契約しているのでIPv4 over IPv6はOCNバーチャルコネクトのローミングですが、設定はMAP-Eにチェックするだけでした。

クリックで画像拡大

ルーターのメーカーや機種のよっては設定項目の名前は若干表現が違う場合はあります。

技術名「MAP-E」や次に紹介する「DS-Lite」などの表示になっているルーターもあれば、

プロバイダのサービス名「v6プラス」「OCNバーチャルコネクト」transix」

と表示してあるルーターもあります。

MAP-E対応のルーターはJPIXのサイトが詳しいのでそちらを参照ください。”v6プラス(IPv6/IPv4インターネットサービス”

今はMAP-Eに対応したルーターも各社から沢山市販されているので準備することに困ることはありません。

 

最近伸びつつあるDS-Lite方式

インターネットマルチフィード「transix」というIPv6インターネットサービスが採用する方式として認知が高まりました。

こちらも最近多くのプロバイダが採用しています。

BBエキサイト「BB.exciteコネクト IPoE接続プラン」 ASAHIネット「v6コネクト」 インターリンク「zoot native」などもDS-Lite方式を採用しています。

MAP-Eの時と同じで契約プロバイダの提供しているIPv6インターネットサービスがDS-Lite方式を採用しているなら、DS-Lite方式に対応したルーターを準備するほか、ルーターの設定もMAP-EではなくDS-Lite機能をONにします。

先ほども書いたようにルーターメーカーや機種によっては、設定項目の表示は「DS-Lite」ではなく「transix」となっているものもありますが、DS-LiteといえばtransixというくらいDS-Liteの普及にtransixが果たした役割は大きかったのです。

Ds-lite対応のルーターについては”DS-Lite IPv4接続オプション接続確認機種情報”が今のところ一番正確で詳しいと思います。

ソフトバンクが採用するIPIP方式

ソフトバンクが提供するIPv6インターネットサービスは「IPv6高速ハイブリッド」という名前で提供されているものがIPv4 over IPv6つきのものです。

ソフトバンクのIPv4 over IPv6は独自のものでIPIP方式といいます。

市販のルーターでは対応しているものはないと思います。

ソフトバンクは現在光コラボ事業者としてソフトバンク光を提供していますが、ソフトバンク光でプロバイダもソフトバンクにしていれば「IPv6高速ハイブリッド」が提供されます。

ソフトバンク独自の機器であるBBユニットを使うことになります。

 

NTTのHGWを使っている場合は電源OFF/ONによる再起動か初期化による再起動だけが試みれる対処法

光電話を契約している場合NTTのHGW(ホームゲートウェイ)という機器が提供されます。

HGWは光のモデムとルーターなどが一体となったもの(品番がPR-500KIなどのようPR-●●で始まる)もあれば光モデム(ONU)とセパレーツになったもの(品番はRT-500MIなどのゆにRT-●●で始まる)もあります。

RT500KI

 

NTTのHGWにはIPv4 over IPv6の設定の関する部分がありません。

NTTのHGWはデフォルトでIPv4 over IPv6には対応していないルーターだからです。

NTTのHGWの場合、別途各プロバイダ独自のIPv4 over IPv6用のソフトウェアが回線経由で自動で落ちてきてHGWに適用されることでIPv4 over IPv6が実現されています。

自働でこのIPv4 over IPv6用のソフトウェアが落ちてくるにはプロバイダがソフトウェアをNTTの網内サーバーに預かってもらっていてHGWが繋がれたことを検知すると自動的にソフトウエアがバンドルされることになります。

このソフトウェアのエラーなどによってIPv4 over IPv6が止まることがあり、その場合機器の電源OFF/ONによる再起動や、それでもだめなら初期化再起動で復旧させます。

ソフトウェアの適用後正常に戻る流れのため再起後も完全復旧状態まで時間かかる場合があります(最長で十数分かかる場合あり)。

フレッツジョイント未締結プロバイダの場合はHGWで

このソフトウェアをNTTに預けて以後自動的にNTTサーバーの働きでユーザーのHGWに流すプロバイダとNTTとの契約をフレッツジョイントと言います。

プロバイダの中にはこのフレッツジョイント契約をNTTと交わしていないプロバイダもあります。

利用プロバイダがフレッツジョイントをNTTと契約していないプロバイダである場合、NTTのHGWにはIPv4 over IPv6機能がもともと備わっていないため、HGWの他に別途IPv6対応の市販のルーターをユーザーが準備しなければならないことになります。

例)楽天ひかりなどはプロバイダである楽天モバイルがNTTとフレッツジョイント契約していないのでNTTのHGWがある場合(NTTと光電話の直販契約しているときにはHGWがある)でも、IPv4 over IPv6(楽天モバイルはDs-lite方式)を実現するには、HGWだけでは不可であり楽天指定のページ(楽天市場なのがスゴイ)から市販ルーターを買うよう誘導されます。

 

3.ルーターにIPv4のPPPoE接続の設定してIPv4を見れるようにする(応急措置)

IPv4 over IPv6が機能しないなら、IPv4のために専用レーンを作ってやるという方法です。

デュアルスタックと呼ばれることもあります。

IPv4 over IPv6はIPv6専用レーンの中に本来は通れないIPv4を通すための工夫ですが、これがこけているので、ならばIPv4用にはIPv4専用レーンを作ってしまえ!というやりかたです。

このIPv4専用レーン構築には旧来からあるIPv4のPPPoE方式を使います。

プロバイダから発行されているインターネット接続用のIDとパスワードを設定してPPPoE接続を確立させて実現します。

難しいものではありません。全然簡単です。

IPv6以前はみんなインターネットの接続設定としてこれをやっていました。

しかし問題があります。

プロバイダがIPv6を提供している場合IPv4用の接続IDやPWを発行しない場合がある

プロバイダがかつてIPv4のサービスのみだった頃はインターネット接続用のIDとPWは、まるでキャッシュカードの暗証番号くらい大事なものでした。

しかしIPv6が主流になって以来、IPv4の接続用ID/PWは不要のものとなっただけでなく、プロバイダにとってもIPv4アドレスが枯渇して足りなくなってきたからこそIPv6を提供しているのに、あらたなIPv4アドレスを払い出すことになるIPv4のPPPoE接続は控えてほしい接続なわけです。

そこでIPv6サービスを提供するプランではIPv4用の接続ID/ PWを発行しなくなっているプロバイダが少しづつ増えてきています。

もし利用のプロバイダがこのIPv4接続用のID/PWを発行していなければこの応急方法は無理です。

旧来の接続方法であり混雑に弱い

PPPoE接続による通信は混雑による速度低下がひどいからです。

夜間や週末なんて使い物にならないくらいに遅い回線になってしまいます。

速度低下を嫌ってわざわざIPv6インターネットサービスを選んだのならなおさらです。

IPv6対応サイトだけが速くなっても世の中の90%以上のサイトが遅いまんまなんて意味ありませんから。

あくまで応急措置的に使うので問題はありませんが、恒久的にこの方法でIPv4にアクセスすることはおすすめしません。

 

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コメント

  1. YouTubeと阿部寛のホームページしか見れない人 より:

    IPv6にしか繋がらないというのが原因というのが分かりましたが、理解力がなくて申し訳ないのですがこのページを見ても解決方法がわかりませんでした…さまざまな知識を教えてくださっているのもわかるのですが大半の内容(IPv6を採用しているルーターの種類?など)の意味がわかりません。ですが原因はわかったので別のサイトで調べてみます!ありがとうございます!

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