楽天ひかりは回線とプロバイダサービスが一体になったインターネットサービスです。
楽天ひかりを契約すれば自動的に楽天ひかりのプロバイダとも契約を結んだことになり別途特にプロバイダと契約する必要はありません。
しかし、逆に指定のプロバイダではなく例えば以前から利用していたプロバイダを使いたいとか、別のプロバイダで利用したいサービスがあるという場合に楽天ひかりを契約しながら、他社プロバイダを利用することは出来るのか?
今日はこの点についての記事です。
楽天ひかりを契約したときに使われているプロバイダは何処なのか?
楽天ブロードバンドが楽天ひかりのプロバイダになります。
楽天ブロードバンドが提供している基本的なサービスは受けることが出来ます。
楽天ブロードバンドはアクセス回線がフレッツ光でもドコモ光でも使えますが、IPv6サービスについてはかなり限定的でIPv4 over IPv6は提供していません。
本ブログでも再三お伝えしているようにIPv4 over IPv6が使えないIPv6インターネットサービスなんて全く意味がありません。詳しくはIPv6インターネットサービスの選び方徹底解説。
ところがアクセス回線も含めて「楽天」を選んだユーザー、つまり楽天ひかりの契約者にだけはIPv4 over IPv6を提供しています。
楽天ひかりユーザーに限って提供しているのは技術的云々ではなく単に販売戦略上の理由からでしょう。
ともかく楽天ブロードバンドは楽天ひかり契約者にのみアルテリアネットワークスのクロスパス(IPv4 over IPv6つきのIPv6インターネットサービス)をローミング提供しています。(参考記事)
このような楽天ひかりの契約に一体化された楽天ブロードバンドではなく他社プロバイダを使うことが出来るか?というのが今回のテーマですね。
他社利用できるか?はIPv6 とIPv4で結果が違ってくる!
IPv4通信については他社を使うことは可能
IPv4はもともとプロバイダを複数契約してそれぞれのプロバイダが発行するインターネット接続用のIDとパスワードをルーターに全て設定しておけば、用途によって使い分けることが出来ます。
なので楽天ひかりをIPv4接続だけで使うというのであれば、ルーターのインターネット接続先設定の欄には他社のIDとパスワードを設定しておけば、そのプロバイダ経由でインターネットに繋がります。
この場合楽天ブロードバンドの設備は一切経由しません。
IPv4通信に限っていえば、楽天ひかりでも自分の好きなプロバイダを利用する事は可能というのが結論です。
もっとも、楽天ひかりは冒頭でも説明したように回線とプロバイダ一体のサービスなので、プロバイダ部分は他社を使うので回線部分だけ契約するというような事は無理です。
楽天ひかりの月々の利用料金にプラスして別途契約のプロバイダ料金が必要になります。
もったいないといえばもったいない話です。
かつて楽天ブロードバンドのIPv4+PPPoEは混雑がひどく全く使い物にならないほど遅かったので、楽天BBと聞くだけでマイナスイメージを持つ人も多いはずです。
ただ、現在は楽天ひかりを契約していればIPv4 over IPv6つきのIPv6インターネットサービスが受けられるわけですから速度面で他のプロバイダを使う必要はありません。
IPv6通信に関係するサービスは他社を利用することは出来ない
例えば楽天ひかりにする前にフレッツ光を使っていてプロバイダはGMOとくとくBBを使っていたとします。
GMOとくとくBBのIPv6インターネットサービスはJPNE社のv6プラスです(詳しくは”GMOとくとくBBというプロバイダについて調べた”をご覧ください)。
回線はフレッツ光から楽天ひかりに変えたいが(事業者間転用といいます)、IPv6インターネットサービスは「v6プラス」を使いたい!というのが可能かどうかということですね。
IPv4の時のように楽天ひかりの月々の利用料金に加えてJPNEやGMOと契約してv6プラスを使うことが出来るのであればあとは月々上乗せになる費用の問題だけです。
しかし残念ながらこれは不可能です。
何故ならそもそもIPv6通信は1本の光回線には1社のサービスしか流せないからです。
楽天ひかりは開通と同時にアルテリアネットワークスのIPv6プレフィックスが自動で配信されますからユーザーがモデムに端末を繋げばアルテリア経由のIPv6通信が確立してしまいます。
この状態で他社のIPv6を流すことは出来ません。
でもそうだとすると、逆に、前に契約していたサービスで提供されていたIPv6が配信されている間は、楽天ひかりが開通してもアルテリアのIPv6を流すことが出来ないということも起こりえます。
先の例でいえばフレッツ光から楽天ひかりに乗り換える場合、プロバイダはGMOとくとくBBを解約しないで置いておくと回線にはJPNEのIPv6が流れたままになっているので、楽天ひかりに乗り換えた後でもIPv6はアルテリアネットワークスのクロスパスではなくてJPNEのv6プラスということになります。
ユーザーの希望どおりの結果といえば結果ですが、これをもって「楽天ひかりでは他社IPv6インタネットサービスが利用可能か?」との問いに「可能です」と答えることはとても出来ませんね。
これは楽天ひかりから見れば開通トラブル事案そのものですから。
どこがどう動いてそうなるのかは不明ですが、ほどなくJPNEのIPv6の自動配信は停止され、結局アルテリアネットワークスのIPv6通信が確立することになります。
IPv6については自由にできないというのが結論です。
楽天ひかりを契約する以上、IPv6はアルテリアネットワークスのクロスパスの利用に限られるわけです。
それで十分ですから。
ただし、v6プラスとクロスパスではいわゆるポート開放の可否などについて違いが出てくるのでどうしてもポート開放が必要だという利用状況の場合楽天ひかりは諦めざるを得ない場合も出てくるでしょう。
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