v6プラスは各社で違いはあるのか?提供プロバイダの実態と他社IPv6サービスとの違いを徹底解説【IPv6完全ガイド③】

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インターネット接続サービスを比較検討していると、必ず目にする「v6プラス」という言葉。

多くのプロバイダがこのv6プラスをサービスとして提供しています。

  • GMOとくとくBB
  • So-net
  • @nifty
  • enひかり
  • TikiTiki
  • かもめインターネット
  • タイガースネット

などなど、まだまだあります。

この記事では、v6プラスについて多くの読者が抱く次の3つの疑問に明確に答えていきます。

  1. これら各社の提供するv6プラスは、サービス内容や回線品質に違いがあるのか?
  2. あるとすれば、それは何で、どのような判断基準で選べば失敗しないのか?
  3. v6プラスにすることでデメリットはないのか?

結論から先にお伝えすると、答えは少し意外なものです。順番に見ていきましょう。

※IPv6そのものの仕組みからおさらいしたい方は、先に
①IPv6とは?仕組み・メリット・速くなる理由まで5分でわかるやさしい解説からどうぞ。
IPv6とは?仕組み・メリット・速くなる理由まで5分でわかるやさしい解説【IPv6完全ガイド①】
IPv6とは何か、IPv4との違い、PPPoE/IPoEの仕組み、速くなる本当の理由、メリット・デメリットまでを初心者向けに解説。「IPv6にしたのに速くならない」原因も図解付きでわかります。
 

そもそも「v6プラス」とは何か?IPv6と何が違うのか?

「v6プラス」とは、株式会社JPIX(旧・日本ネットワークイネイブラー株式会社/JPNE)が提供しているIPv6インターネット接続サービスの商品名です。

それ以上、何か特別な技術や規格を表しているわけではありません。

※2023年1月、日本ネットワークイネイブラー株式会社(JPNE)は日本インターネットエクスチェンジ株式会社と合併し、現在は株式会社JPIX(KDDIグループ)に商号変更しています。
技術的にいえば、v6プラスは「IPv6+IPoE方式」のインターネット接続サービスで、MAP-EというIPv4 over IPv6技術を採用したものです。

商品名としての位置づけを整理すると、他社の似たサービスとの関係はこうなります。

提供元 商品名 採用技術
株式会社JPIX(旧JPNE/KDDIグループ) v6プラス MAP-E
インターネットマルチフィード社 transix DS-Lite
NTTコミュニケーションズ OCNバーチャルコネクト MAP-E(独自仕様)
Biglobe v6オプション MAP-E(独自仕様)
BBIX社 IPv6高速ハイブリッド(ソフトバンク採用) 4rd/SAM
アルテリア・ネットワークス クロスパス DS-Lite

これらはすべて、各社が提供しているIPv6インターネット接続サービスの商品名です。

つまり「v6プラス」は数あるIPv6インターネット接続サービスのひとつで、JPIX社(旧JPNE)が提供している商品――それ以上でもそれ以下でもありません。

 

v6プラスを申し込めば何ができるようになるのか?「v6」に何が「プラス」されるのか?

「プラス」という言葉自体は商品名の一部に過ぎないので、深い意味を求めても仕方がない――と言いたいところですが、実はこの「プラス」には非常に大きな意味があります。きわめて重要な機能がプラスされているのです。

 

標準のIPv6接続だけでは、ほとんどのWebページは速くならない

標準のIPv6インターネット接続サービス(つまり、何も追加機能がついていないIPv6だけのサービス)を申し込んでも、できることは「IPv6対応のサイトに高速で繋げる」というだけです。

IPv4のままのサイト――つまり世の中のサイトの大多数――には、この高速なIPv6通信は使えません。IPv4のパケットはIPv6の通信経路を通れないからです(IPv4とIPv6は相互に互換性がない)。

これは大問題です。世の中のサイトのほとんどが、いまだにIPv4のまま運用されています。Yahoo!もAmazonも全くIPv4のままです。私たちが普段ネットで利用しているサイトの大半は、IPv6を導入したところで標準のIPv6では見られません。

これらのサイトを見るには、従来通りルーターにプロバイダ発行の接続ID/パスワードを設定し、IPv4でPPPoE接続を確立させる必要があります。しかしご存知のとおり、PPPoE接続のIPv4通信は時間帯によっては大渋滞を起こし、使い物にならないほど遅くなります。

これでは速度改善のためにIPv6を導入した意味がありません。

 

そこで登場するのが「IPv4 over IPv6」

この問題を解決するため、IPv4のパケットもIPv6の通信経路を通れるように工夫した技術が「IPv4 over IPv6」です。これをプラスしたのが、v6プラス(および同種の他社IPv6サービス)の正体。

つまり「v6プラス」の”プラス”とは、このIPv4 over IPv6機能のことなのです。

これによりIPv6対応サイトでない一般のIPv4サイトでも、高速なIPv6回線で通信できるようになります。先に表で挙げた「transix」「OCNバーチャルコネクト」「v6オプション」「IPv6高速ハイブリッド」「クロスパス」も同様に、IPv4 over IPv6機能を提供するIPv6インターネットサービスです。

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v6プラスを提供する各社のサービスに違いはない!

冒頭でも書いたとおり、v6プラスは複数のプロバイダが提供しています。しかし――

株式会社JPIX以外の各社が提供しているv6プラスは、各社独自のものではありません。すべてJPIX社と提携して、JPIX社のv6プラスを”代理販売”しているだけ

つまり各社のv6プラスは、すべてJPIX社のv6プラスそのものなのです。

結果として、どのプロバイダのv6プラスを使ってもサービス品質はまったく同じです。

契約先プロバイダの設備は一切使われません。GMOとくとくBBで契約しようと、@niftyで契約しようと、So-netで契約しようと、実際の通信はすべてJPIX社の設備を経由します。

 

では、各社のv6プラスは何が違うのか?

サービス品質は同一なので、選び分けの判断基準は次のような「v6プラス以外の付加価値」の比較になります。

  • 月額料金――プロバイダ部分の月額やキャンペーン特典
  • キャッシュバック――新規契約時の還元キャンペーン
  • ルーターのレンタル提供――無料か有料か、永年か期間限定か
  • セキュリティオプション――付帯セキュリティの内容
  • サポート品質――電話・チャット・メール対応の評判

 

v6プラスの「中身」は同一なので、これら周辺サービスでお得なところを選ぶのが正解です。

 

v6プラスのデメリットは契約前に必ず知っておくべき

v6プラスは多くのプロバイダで利用しやすく、特にNTTのHGW(ホームゲートウェイ)が手元にある方は市販ルーターを別途準備しなくても利用可能という大きなメリットがあります。

しかし、いくつかの使い方が制限されるデメリットもあります。これを知らずに契約すると後悔します。

 

これまでIPv4で出来ていたことの一部が制限される、または完全に出来なくなる

① IP電話(050番号)系のサービスが使えなくなる

OCNのドットフォンサービスやソフトバンクのBBフォンサービスのような050番号で始まるIP電話サービスは、電話と言いながら実態はIPv4を使ったパケット通信です。
IPv4のIP電話パケットは、IPv4 over IPv6(v6プラスを含む)の経路には流せません。よってv6プラス利用中はこれらのIP電話が利用不可になります。NTTのひかり電話(光電話)は別の仕組みなので問題ありません。

② 自宅Webカメラの外出先からの確認が制限される

自宅や店舗に設置した監視カメラの映像を外出先のスマホから確認するには、外部からあなたの自宅ネットワークにアクセスする必要があります。これには「ポート開放」というルーター設定が必要です。
ところがv6プラス(MAP-E方式)では、IPv4のグローバルIPアドレスを最大254ユーザーで共有する仕組みのため、ポート開放を自由にさせるわけにはいきません。同じIPアドレスを共有する他のユーザーの自宅にも侵入を許してしまうことになるからです。
そこでv6プラスでは、ユーザーごとに使えるポート番号を240個ずつ割り当てる仕組みになっています。Webカメラのアプリやサービスが要求してくるポート番号が、たまたま自分に割り当てられた番号の中にあれば利用可能。なければ諦めるしかない、という制限的な仕様です。

③ オンラインゲームのホスト役は不可(ゲスト参加はOK)

マルチプレーゲームでゲスト参加して遊ぶことは可能ですが、自分がホストとなって他のプレーヤーを呼び込むには、Webカメラと同様にポート開放が必要となります。同じ理由で、特定のポート番号での開放を要求されるゲームは制限を受けます。

④ 自分が使えるポート番号は契約してみないと分からない

厄介なのは、自分に割り当てられる240個のポート番号は契約前には分からないこと。ポート番号は実際に割り当てられるIPv6アドレスのプレフィックスから自動的に算出されるため、契約してルーターを動かして初めて確認できます。
契約後にv6プラス対応ルーターの管理画面を開くと、自分が自由に使えるポート番号が240個ずらりと表示されます。これを見て初めて「使いたいゲームのポート番号があるかどうか」が判明する、という仕組みです。

 

🔀 ポート開放問題でお悩みの方へ

  • 制限なくポート開放したい方 → ソフトバンク光の「IPv6高速ハイブリッド」(4rd/SAM方式)が唯一の選択肢。詳細は④選び方記事
  • 楽天ひかりを検討中/契約中の方 → DS-Lite方式のためポート開放は完全不可。注意点を⑤楽天ひかりの注意点記事で確認
  • 普通のWeb閲覧・動画視聴中心の方 → v6プラスで全く問題なし

結局、v6プラスを選ぶべきはどんな人?

これまでの内容を踏まえると、v6プラスが向いているのは次のような方です。

  • Web閲覧・動画視聴・SNS・オンラインショッピング中心の使い方
  • ポート開放を必要とする使い方をしない(または、できなくても困らない)
  • NTTのひかり電話契約があり、HGWを使っている(市販ルーター追加購入が不要)
  • 多数の対応プロバイダから自分に合ったキャンペーン・特典のあるところを選びたい

逆に、自宅サーバー運用やオンラインゲームのホスト役などポート開放が必要な使い方をするなら、v6プラスではなくソフトバンク光のIPv6高速ハイブリッド一択になります。

 

まとめ|v6プラスは各社同一サービス。違うのは”周辺”の付加価値

最後にこの記事のポイントを整理します。

  • v6プラスは株式会社JPIX(旧JPNE/KDDIグループ)が提供するIPv6インターネット接続サービスの商品名
  • 多くのプロバイダがJPIX社と提携して“代理販売”しており、サービス品質はすべて同一
  • 選び分けの基準は料金・キャッシュバック・ルーターレンタル・サポートなどの周辺要素
  • v6プラスの「プラス」とはIPv4 over IPv6機能のこと――これがあるからIPv4サイトもIPv6回線で見られる
  • デメリットはIP電話の不可・ポート開放の大幅制限――該当する使い方をする方は要注意

「v6プラスを提供しているプロバイダのうち、どれを選べばいいか」と悩んでいた方にとって、この記事が判断の助けになれば幸いです。

中身は同じ、違うのは周辺――この事実を知っているだけで、必要以上に契約先選びに迷わずに済みます。

 

📖 次に読むべき記事はこちら

読み終えたいま、あなたの気持ちはどれに近いですか?気持ちに合うものを選んで次に進んでみてください。

① 「v6プラスを含めて、結局どのプロバイダを選ぶべき?」
IPv6インターネットサービスの選び方【完全ガイド④】
選定で見るべき5つのポイントと、契約前のチェック事項。
https://galf1394.com/2020/02/05/ipv6-choice/

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