光回線のマンションタイプでVDSL方式を利用している場合、大抵はレンタルのVDSLモデムを利用していると思います。
しかし、このレンタルモデムが結構古くなって来たせいか、回線が不安定になったり、イマイチ速度が出なかったりした場合、VDSLモデムを新しく交換すれば問題は解決するのか?
また、交換するとしてレンタルモデムではなくて市販されている高性能なVDSLモデムを購入する方がいいのか?
今日はこの点についてのお話です。
VDSLモデムの交換で回線性能は上がるか?
ネットが繋がらない時間帯がちょこちょこ出て来たり、VDSLモデムのLINEランプが気がつけばゆっくり点滅していて回線が切れてる事があったりとどうも回線が不安定な状態な場合、VDSLモデムを新しく交換することでウソのようにこれらの症状がなくなる事があります。
これらの症状はマンションの共用部分に置かれているVDSL集合装置と部屋にあるVDSLモデムとの間で通信が取れなくなることが原因なのですが、
VDSLモデムが長年の使用で劣化不良になってる場合、それが真因で回線が不安定になる事が結構の割合であります。
ヘタってきた電源アダプタからノイズが発生してモデム本体に影響して動作不良になる事もあります。
これらの場合にはVDSLモデムの交換がもっとも効果的です。
残念ながら回線速度の改善は基本的にない!
モデムを新しくすれば回線速度が上がるか?については基本的に“No”です。
VDSLモデムはマンション内のアナログ電話用の配線(メタル線)にインターネットやパソコンで使うでの信号を流すためにデジタル⇄アナログを変換する仕事をしているだけです。
古くなって故障してこの変換が上手く行かないなどの事情がある場合は別ですが、基本的にモデムを新しくしたからといって回線速度が速くなることはありません。
VDSLモデムの交換には市販品を購入するほうがいいのか?
これについても答は“No”です。
我々が普段使っているVDSLモデムはレンタル品です。回線提供者(例えばNTT)から一方的に送られてくる物を使う事になります。
しかし市販品の中にはこのレンタルモデムより高性能なVDSLモデムもあります
このような市販の高性能モデムを購入して使えば自宅回線もかなりイケてる回線になるのでは?と思うのですが、
残念ながらこれは不可能ではないにしても現実にはなかなか実現出来ないと思います。
VDSLモデムはVDSL集合装置とペアで動作する機器だからです。
マンション共用部分に設置されているVDSL集合装置とセットなのです。
もし、あなたが高性能なVDSLモデムを使いたいというのなら、適合する集合装置も一緒に購入しないといけません。
仮に買っちゃった!としても共用部分に設置させてもらう事なんてマンション住人が希望しても実現できる話しではないでしょう。
設置というのは単に“置かせてもらう“だけではなく電源ももらわなければならないし、マンションのMDFへの配線工事も必要になります。
どう考えても無理だと思います。
モデムは結局、回線事業者から手に入れる他ないわけです。
つまりレンタルモデムを使うほかないって事です。
レンタル機器のはずがネットで販売されている?
レンタル用のモデムのはずが一般にヤフオクやメルカリで販売されているのをよく見かけますがお勧めできません。
販売自体がかなりグレーな匂いがします。
仮に販売者がフレッツのVDSL契約をを解約して持っていたモデムが不要になり販売しているとすれば完全に違法です。
モデムの所有権は回線事業者にあり解約時は要返却品だからです。
もっとも、購入者が罰せられるなどありませんが、以後故障修理等の対応は受けられないので注意が必要です。
モデムの経年劣化やその他故障時は回線事業者側で無償取り換えしてくれるので調子が悪いからといって他から買い求める必要はまったくありません。
2020年現在のVDSLモデムの最新機種は?
古くなったレンタルモデムを交換してもらうとなると気になるのがレンタルVDSLモデムの最新機種はどれか?って事です。
これ、ちょっとビックリです。
VDSL機器についてはレンタル品だけでなく市販品についても最新技術のG-fastを除いて既存のものはあらたな開発や技術革新はほぼ止まっており、最新機種といっても2008年開発のくらいのものが最終のようです。
G-fastは現在のところAuひかりマンションGタイプのみが採用している技術規格でNTTのフレッツサービスや光コラボサービスでは採用されていません。
東日本エリアではVH1004ESまたはVH1004EN 西日本エリアではNB100Eが今のところ一番新しいタイプにはなります。
VDSLモデムには単体型と光電話ルーターとの一体型がある
NTT東西のフレッツサービスやNTT光コラボサービスを利用している場合に光電話の契約もあればHGW(ホームゲートウエイ)と呼ばれる光電話対応ルーターがVDSLモデムと合わせて提供されますが、この場合VDSLモデムとHGWが分離していて2つの機器構成となる場合(単体型・セパレート型)と一体していて1機のみの構成(一体型)となる場合があります。
一体型はNTT東西いずれももう新たな提供はしていないそうで、交換時はこれまで一体型を使っていたユーザーにもセパレート型が提供されるようです。
VDSLモデムの設定は?
実はVDSLモデム自体にはユーザーが設定するような項目はありません。
VDSLモデムを交換した場合、モデム自体はもちろんPC側で設定を変更したり、下部に繋ぐwifiルーターなどの設定をいじる必要は全くありません。
単体型のモデムの場合、壁のモジュラージャック(電話線の差込口)とVDSLモデムのLINEというポートを電話線(モジュラーケーブル)でつなぎ、電源コンセントに繋ぐだけでOKです。
これに対してVDSL一体型HGWを交換した場合は、インターネットの接続設定があらためて必要になります。
また光電話の「鳴り分け設定」をしていたのなら交換によって再設定が必要になります。
ただいずれもこれはVDSLに設定をしているわけではありません。あくまでVDSLモデムと一体になっているルーター部分に設定をしているだけのことであり、VDSL部分にはユーザーが設定しなければならない項目はありません。
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