ネットが繋がらないと思ってよく見たら、VDSLモデムの上から2番目のランプがクルマのウインカーみたいにゆっくり点滅している。
たしか正常な時はこのランプは点滅ではなくて、点灯だったはず。
機種によって(VH1004EN)は、上から2番目のランプはVDSL/LINKではなくLINEとなっています
何が起こっているのか?
VDSL集合装置と宅内のVDSLモデムの間で通信が取れない状態に陥っています。(VDSL区間のリンクダウン)
VDSL集合装置はマンションの共用スペースに置かれています。その集合装置とあなたの部屋まではマンションに既存の電話用の配線(メタル線)でつながれていてその区間のどこかで信号が流れなくなっているのです。
*VDSL方式のしくみについては「光回線マンションVDSL方式を徹底理解する」で詳しく解説しています。
この状態ではネットは使えません。 例えばwifiは接続済みなのにインターネットに接続されていません!なんてメッセージが出ます。
家の固定電話を光電話にしている場合なら電話も使えません。 光電話でなくアナログ電話の場合なら電話は使えるけどネットがダメというケースとやはり電話もネットもダメというケースと二通りあります。
VDSL区間のリンクダウンの原因
VDSL集合装置から宅内のVDSLモデムまでのどこかで通信が取れなくなっているわけですから原因も集合装置から宅内VDSLモデムまでのいずれかに不具合が発生している可能性があります。
以下に示すこの区間にあるすべての機器、コネクタ類、ケーブル類が原因となりえます。
- 宅内VDSLモデム
- VDSLモデムと壁のモジュラージャックをつなぐモジュラーケーブル(電話コード)
- 壁のモジュラージャック
- インラインフィルターやスプリッター(固定電話がアナログ電話の場合のみ)
- マンション構内線(メタルケーブル)
- IDF(中継配電盤)
- MDF(主配電盤)
- ジャンパー線
- VDSL集合装置
そのほとんどがユーザー自身ではどうすることも出来ない箇所に不具合原因の可能性があることになります。特に5番以降についてはユーザー側で出来ることは何もありません。
つまり基本的にVDSL/LINKランプ点滅でネットが使えない場合、NTTの故障受付で修理対応となるケースだという認識が必要です。
開通時にこのような場合が起こった時の対処法については“無派遣工事で開通が出来ない時の対処法(光コラボ共通)”を参考しして下さい。
自分で出来ることは?
1.VDSLモデムの再起動は試して見るべき。
NTTのVDSL方式の場合(光コラボでも同じ)は開通時であっても提供されるVDSLモデムはリユース品(再生品)の可能性があります。
開通後間もない時でも宅内VDSLモデムの動作不良でVDSL区間のリンクがダウンすることがあります。
経年劣化等のよる故障の他一時的なフリーズの場合もあり、一時的なフリーズなら再起動で回復します。
*ランプが点滅もしていない消灯の時はまずVDSLモデムの故障と断定していいでしょう 。
再起動するにはVDSLモデムの背面に刺さっている電源プラグを抜き去り、5秒~10秒くらいで元に戻すだけです。より正しく行いたいならモデム側だけでなく電源コンセント側も抜くと良いといわれています。
再起動すると暫くしてVDSL/LINKランプが点滅を始めます。 この点滅が止まり点灯状態に落ち着けば回復となります。
* 点滅から点灯に変わるまでの時間はまちまちで数秒で回復する場合もあれば数分かかることもあります。
点滅が止まらなければモデムの一時的なフリーズではなかったということであり次の手順を試してみます。
2.モジュラーケーブルの抜差し
壁のモジュラージャックとVDSLモデムの背面のポートはモジュラーケーブル(つまり電話コード)で繋がれています。
このケーブルを壁のモジュラージャック側、VDSLモデム側の両方を抜き差しします。
コネクタ部分の微量の電気が帯電して信号の流れを乱している場合、このケーブルの抜き差しによる放電で信号がスムースに流れリンクを回復することがあるからです。
*モジュラーケーブルの抜差しで回復しなければモジュラーケーブルの交換も試してみます。モジュラーケーブルは電話機に付属している電話コードなので家を探せば予備があるかもしれません。なければ家電量販店で普通に数百円で購入できます。
以上の措置をやってもダメなら回線事業者の故障受付に連絡して修理対応を依頼します。
VDSLモデムの故障なら交換をしてくれますし、モデム故障でなければ宅外部分に原因がある可能性がぐっと高くなります。先ほど列挙した例でいえば5番以降の故障です。 この部分の回復処置はNTTの修理でないと実現しません。
基本的にこの区間の修理の費用がユーザーの負担になることはありません。 ただ例外的にモデムを落下させてしまったとか何か飲み物をかけてしまったとか、利用者の原因で故障となった場合は有償になりますが、そのよう事情は自己申告がない限り確かめようがないので「思い当たる原因がない。」と言えばすべて無償修理となっています。
3.固定電話がアナログ電話の場合は以下もチェック
VDSL方式のインターネット回線を利用している場合でも家の固定電話がアナログ電話の場合は壁のモジュラージャックからモデムまでの配線が少し複雑になります。
モジュラジャックから出て2股に分岐されます。分岐にはスプリッタという器具が使われます。
2股に分かれて一方がVDSLモデムへ、もう一方は電話機へと接続されますが、電話機へ延びる方のケーブルにはスプリッターと電話機の間にインラインフィルターという器具が繋がれています。
これは電話機に流れた信号が電話機側で反射して乱れたノイズとしてVDSLモデムに回り込むのを防ぐなどの役割を果たしています。
このインラインフィルターが外されていたり、劣化していた場合にもVDSL/LINKランプは点滅状態になる場合があります。
同じくスプリッターの不調でVDSL/LINKランプ点滅も起こりえます。
電話機を光電話でなくアナログ電話で利用している場合はスプリッターやインラインフィルターのケーブルの抜差し等もチェックする必要があります。
スプリッターやインラインフィルターはモデムに付属して提供されるもので、故障でモデムと同様に無償で交換してもらえます。
VDSL/LINKランプ点滅はモデム交換で回復する場合もしない場合もあることを知っておく
NTTの窓口にVDSL/LINKランプ点滅してネットが使えないと申告した場合に担当者によってはモデムの交換を提案してくる場合があります。
先に説明したように全ランプが消えて電源が入らないというハッキリした場合以外本来は原因がモデムなのかそれ以外なのか不明なはずですが、あまり詳しい切り分けをしてくれない事が多いように感じます(以前はそうでなかったという印象がありますが。。。)
現在NTT東西いずれもモデム交換だけであれば郵送もしくは宅配してくれるようになっています。
もちろんモデム交換で回復する場合もありますが、基本的にはまずは保守員の訪問を依頼すべきです(NTTはユーザーの訪問点検の依頼を断ることは出来ません)。
VDSL区間の不具合は先にも説明したように無償修理の区間です。
これは訪問修理でも同じことで先に説明したユーザー原因での故障でない限り特に出張費なども一切かかるものではありません。ですので日程を合わせて来てもらい、原因箇所を突き止めてもらった上でその場で対処してもらった方が結局早く解決します。
モデムのみ郵送もしくは宅配交換してみて改善がなければ、また改めてNTTに申告をし直して訪問の依頼をすることになります。これでは解決がずっと遅くなる恐れがあります。
反対に訪問してもらった結果やはりVDSLモデムの不具合だったとなれば、無償でその場で保守員がVDSLモデムを取り換えて配線しテストまでしてくれるわけですからなんの問題もありません。
ただ、唯一訪問点検を依頼するにはユーザーまたはユーザーの家族誰かが在宅している必要があります。
不在なので部屋の外の部分だけでも見て欲しいと要望しても基本的に不在点検には消極的です。
また、VDSL区間の故障修理にはVDSL集合装置が置かれている共用スペースでの点検が必要な場合が多く、ここには鍵がかかっていることが結構あります。
マンションの大家さんや管理人さんに鍵を借りての点検になる場合、週末などで管理人不在時は訪問が意味をなさない結果になる場合があります。
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